Re: 〔1〕章・薬物は何に効くの ( No.1 ) |
- 日時: 2004/06/07 15:56
- 名前: bゥものはし
- 薬の形状や色は効果に関係はないのでしょうか?個人的意見として同じような効果を期待する場合、サイレースの大きな白玉よりもハルシオンの小粒の青色の方が効き目がある気がする。ルボックスのオレンジ等も同じ理由で効いている気がします。自分に本当に合っているのか、心理的なモノなのか他の人の意見が聞きたいです。
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Re: 〔1〕章・薬物は何に効くの ( No.2 ) |
- 日時: 2004/06/07 15:58
- 名前: bゥものはし
- 名前の入れ違いです。くだらない間違いですみません。
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Re: 〔1〕章・薬物は何に効くの ( No.3 ) |
- 日時: 2004/06/07 16:01
- 名前: bゥものはし
- 何度もすみません。名前は一度登録し間違えるとずっとそのまま?「かものはし」が正しいです。でも、どうでもいいことか?
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Re: 〔1〕章・薬物は何に効くのか・・・についてのご感想 ( No.4 ) |
- 日時: 2004/06/08 12:50
- 名前: ヤス
- 本書で「構造」と「薬物」についての論議、大変興味深いものでした。先生ご自身、ハッとされたとのことですが、僕も胸を衝かれました。薬物を見れば患者がわかり、患者のことが理解されておれば自ずと服用する薬もきまってくる、ということだと思いました。「構造」が人間の「こころ」なのか「精神」なのか理解に苦しみます。精神と言えば生物学的にシナプスをはじめとする「脳」を表わし、「こころ」と言えばなにか実体のない
幽霊のように、僕は自分では区別をつけていますが、皆様はどうお考えでしょうか。僕は『心は脳を超える』というエックルスの著書に興味があります。機会があったら是非、お読みください。
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Re: 〔1〕章・薬物は何に効くのか・・・についてのご感想 ( No.5 ) |
- 日時: 2004/06/08 13:28
- 名前: ヤス
- 構造とは不変なるものではないと思うのですが、そうすると患者は絶えず薬の調整をしなくてはならないですよね。僕なんかは薬物無しでは生きてゆけないので上記のこと、よく解りました。逆に言えば、僕の内なる「構造」が自分でも気付かないうちに何らかの変化を遂げて
いるというのでしょうか。僕がこうして考えているように「構造」とは変化するものと位置づけてよいのでしょうか。
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Re: 〔1〕章・薬物は何に効くのか・・・についてのご感想 ( No.6 ) |
- 日時: 2004/11/25 11:28
- 名前: 哲学者になりたい
- 精神はどこに宿るのか。
唯脳論で現在は語られています。 だから、脳のどこに効くといいます。 日本古代では、五臓六腑の区分けがなく、 肝に銘じる、心がいたむ、腹を割って話す、腹黒い、、、などなど、多臓器に心霊が宿るのです。 統合失調症(精神分裂病)でも、Shizoprenie、 つまり、腹が割れる、という意味ですから。 心の世界は複雑で、脳のネットワークも複雑。 結局、「構造」にきくのでしょう。
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Re: 〔1〕章・薬物は何に効くのか・・・についてのご感想 ( No.7 ) |
- 日時: 2004/12/18 19:16
- 名前: じゅん
- 参照: http://members.jcom.home.ne.jp/j-miyaza/index.html
- 57歳 内科臨床にたずさわっているものです。
Ca拮抗剤が血圧を下げる、H2ブロッカーが胃酸分泌を抑制するというのと同じことで、向精神薬もある作用点に効いているのでは? 認知科学では、視覚がきわめて複雑な要素の複合によってなりたっていることが明らかになってきていますが、視覚とは比較にならないくらい多くの要素から成り立っている「こころ」の働きは、単一の薬剤によっては、さまざまな方向に修飾されうるのは当然のことであるように思います。 薬が症状に対して効くように見えるのは、その症状が少数の要素に還元できるような場合に限られることであって、身体疾患と精神疾患において薬の作用の仕方が異なるようにも受け取られかねない表現にはやや疑問を感じました(何か精神疾患を特別視するような方向を感じないでもありません)。 「薬物は<構造>に効く」のであれば、身体疾患・精神疾患の双方に成立するものではなければいけないと思います。解熱剤はまさに対症療法で、<構造>に効くのではないかもしれませんが、それは通常、発熱がその患者さんの<構造>に危機をもたらすようなことがないからです。抗癌剤は、ある場合には<構造>に決定的な影響をあたえるでしょう。 「薬物は<構造>に効く」のは、精神疾患においては症状がしばしば<構造>にとってクリティカルだからでは? <症状にではなく構造に効く>というのは、<その人の部品にはなく、その人そのものに効く>ということであって、<病気ではなく病人を診よ>という臨床のいろはを言っているようにも思いました。
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Re: 〔1〕章・薬物は何に効くのか・・・についてのご感想 ( No.8 ) |
- 日時: 2004/12/26 15:29
- 名前: ほんのしおり
- 参照: http://bookmark.tea-nifty.com/books/
- 私は学生時代に文化人類学を学び、隣接分野である現代思想もかじってきました。構造と聞けばレヴィ・ストロースやソシュールが思い浮かぶのですが、それとは違うようです。
私の学んだ構造とは、表面に現れる事象やその見え方がどれだけ異なっていたとしても、その背景にあり「変わらないもの」でした。変化し続けるもの・ことは「構造」とは言わないのです。また、本書では 「構造とは物質ではないもので、精神構造やこころの構造と言い換えられる」 としか定義されていません。構造とは構造であると言っているに等しく、説明になっていません。 脳科学で批判されている構造は、反応の仕方であり、構造ではありません。 (字数オーバーなので分けて書きます)
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Re: 〔1〕章・薬物は何に効くのか・・・についてのご感想 ( No.9 ) |
- 日時: 2004/12/26 15:34
- 名前: ほんのしおり
- 参照: http://bookmark.tea-nifty.com/books/
- 例えば、Aという薬を服用すると結果としてCという症状がなくなるとき、
入力(A)→反応(B)→出力(C) という図式を描けます。このとき、Aを変えるとCが変わることや、Aは同じなのにCが変わることを「構造の変化」とは言いません。A→B→Cという三者の関係は変わらないので、その三者の関係を構造と呼びます。AをA'に変えるとA'→C→Bと変わるのであれば、構造の変化と呼びます。AをA'に変えるとA'→B'→C'に変わるのは、反応が変わっただけで構造は変わっていないと考えるのが構造主義とよばれる思想です。
文脈からして、薬はB単体やCに効くのではなく、「A→B→C」に効くのだというのが「構造に効く」のだと理解しましたが、いまいちすっきりしません。 この章を読んで理解できた方がいらっしゃったら教えてください。 ちなみに、「症例検討会を検討する」に登場する<構造>は私の理解している構造そのものです。
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Re: 〔1〕章・薬物は何に効くのか・・・についてのご感想 ( No.10 ) |
- 日時: 2005/01/17 06:39
- 名前: KOZIKI <hinanana@m8.dion.ne.jp>
- 薬物は構造に効く!薬物の官能的評価!こういうフレーズに反応したり、造語を作り出してしまう熊木先生の感性つうかセンス、思索的ながらも非常に真摯なスタンスで臨床の場に臨もうとされる姿勢はクズみたいな精神科医しか知らない私には驚きでした。魂を込めて薬物を処方すれば患者もありきたりの薬物でもドクターへの信頼感とともに脳に効くか心に効くか存在構造に効くか?それは解らないけど患者の服薬感度は確かに上がると思います。だって信頼しているだんなに処方してもらってるんだからね。
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Re: 〔1〕章・薬物は何に効くのか・・・についてのご感想 ( No.11 ) |
- 日時: 2005/02/22 00:34
- 名前: ほんのしおり
- 参照: http://bookmark.tea-nifty.com/books/
- 野村総一郎さんの『精神科医にできること』(講談社現代新書)に、ほぼ同じようなことが別の表現で記述されていたので紹介しておきます。
P.104〜P.105ですが、要約すると ・脳内物質は単独で働くのではなく、ネットワーク状につながり相互作用している ・薬物は、脳内物質単体に効くのではなく、ネットワークに揺さぶりをかける ・そのことで自然の回復力に働きかけるのではないか 「構造に効く」という表現は印象的ですし、熊木さんもこの表現だったからこそ衝撃を受けたのだとは思いますが、私は「構造」という表現にとらわれてしまい、かえって分かりにくいと感じました。
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Re: 〔1〕章・薬物は何に効くのか・・・についてのご感想 ( No.12 ) |
- 日時: 2005/02/28 15:19
- 名前: やまねこ
- 「構造に効く」という表現、僕は納得しました。
学生時代、ネズミの脳の切片を用いて実験をしたことがあります。古典的で比較的単純な薬理作用(D2拮抗作用)と考えられている「抗精神病薬(ハロペリドール)は、ある神経伝達物質の放出を増やす」と教科書には書いてあるが、中々増えない。理由を考えると、脳は何重にも安全装置(フィードバック・ループ)があり、一部に作用があっても直ちにバックアップする機構が複数あるようなのです。脳のほんの一部を用いた実験ですら、こうなのですから、身体全体ではどれほど複雑か…。あるインプットは、直ちにフィードバックされて打ち消されますが、フードバックループ自身が変化すれば、「平衡状態が移動」します。これが向精神薬の作用だと思います。フィードバック機構全体をシフトさせるのですから、「構造に効く」という言い方は分かるような気がします。 「精神状態」という機能変化をもたらす原因(インプット)は複数存在しえます。つまり違った原因でも同じ結果になることがある。また、フィードバックの平衡状態は、環境が違えばシフトの仕方が違ってくることもある。これが向精神薬の作用を単純にしていないのだと思います。ただ、同じような環境で、同じような状態にあれば、平衡状態のシフトも同じようになる可能性が高い。これが、個人の反応である「官能的評価」を蓄積する意味だと思います。如何でしょう? ちなみに、最近の抗精神病薬の理論、MARTA(多受容体種拮抗理論)は平衡状態をシフトさせる、という理屈からすると、より色んな部分を揺さぶるという点で、ありえる理論と思います。ただ、その効果はやはり結果論でしかない(ある程度の予測しかつかない)部分があるのは仕方ないでしょう。
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